歴代の数学者たちの挑戦 〜フェルマーの最終定理〜
フェルマーの最終定理に挑戦した
歴代の数学者たち。その闘いの歴史と
数学者たちの波乱に満ちた人生を描いた物語。
物語はピュタゴラスからはじまり、
ワイルズにより締め括られる。
数学者自身の半生をドラマティックに
描いているので数学が得意でない人も
楽しめる。科学史が好きな人には
是非おススメしたい作品。
目次
- はじめに サイモン・シン
- 第Ⅰ章「ここで終わりにしたいと思います」
- 第Ⅱ章 謎をかける人
- 第Ⅲ章 数学の恥
- 第Ⅳ章 抽象のなかへ
- 第Ⅴ章 背理法
- 第Ⅵ章 秘密の計算
- 第Ⅶ章 小さな問題点
- 第Ⅷ章 数学の大統一
フェルマーの最終定理に関する証明の歴史。
ピュタゴラス
X2 + Y2=Z2
「万物は数なり」
ピエール・ド・フェルマー
Xn + Yn=Zn
この方程式はnが2より大きい場合は整数解をもたない。
レオンハルト・オイラー
・・・まずどれか一つの方程式に
解がないことを証明しそれを他の
すべての方程式に敷衍できないかと考えた。
ソフィー・ジェルマン
・・・彼女はどれか一つの場合を
証明するのではなくたくさんの場合を
ひとまとめに証明することを目指した。
谷村豊・志村五郎
楕円方程式(y2 = x3 + ax2 + bx + c)と
モジュラー形式とは実質的には
同じではないか。
ゲルハルト・フライ
・・・かくしてフライはフェルマー方程式を
楕円方程式に変形することによって
フェルマーの最終定理を谷山=志村予想に
結びつけたのである。
アンドリュー・ワイルズ
・・・谷村=志村予想を証明することで
フェルマーの最終定理を証明した。
「ここで終わりにしようと思います」
サイモン・シンの物語の運びがうまい。
数学の研究をドラマティックに表現するのは
難しそうだがそれを見事にやってのけている。
暗号解読や宇宙創生も読んでみるか・・・。