ソフトウェアエンジニア@横浜の徒然日記

SDGs,人と組織,ソフトウェア開発について知ったことを徒然なるままに発信

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【書籍】WIRED Vol.16 「お金の未来」

お金の未来像を想像すると

以下のような潮流が見られる。

・生体データとお金と消費が結びつく。

・お金は国家を超えた縁をつくる媒介として働く

この潮流を踏まえて,

コミュニティ⇄ネット(統一通貨)⇄スマホ⇄マイコン⇄生体認証

上記のような仕組みをつくってみようと思う。

WIRED VOL.16 (GQ JAPAN 2015年6月号増刊)

WIRED VOL.16 (GQ JAPAN 2015年6月号増刊)

 

 特集 お金の未来(と、かわりゆく世界)

P42.Stratos:A Card To The Future
(天才ティアゴ・オルソンが発明した「未来へのカード」)
P50.Future Consumption Design
(デザインオフィスが考えた新しい「消費」のシナリオ)
P54.Money Changes Everything
(ぼくらのお金の未来図。身体認証/人口知能/
  ローカルエコノミー/国家)
P62.Money Fows,And So Does Everything
(池田純一:「縁」のリヴァースエンジニアリング)
P68.IoM:Internet of Money
(「お金のインターネット」と暗号通貨の新世界)

P42.Stratos:A Card To The Future

(天才ティアゴ・オルソンが発明した「未来へのカード」)

Stratosのコンセプトは

Stratosの最大文句は「クレジット

カード」を1枚にまとめること

利用方法は

・サイトでメンバー登録

・カードリーダーが送られる

・専用アプリをダウンロード

・カードリーダーでカードを読み込む

・カードを使うときはStratosを軽く

 タップしてカード切替を行う。

ポイントは

Stratosのリーダーは磁気ストリップが

ついたものなら,クレジットカード

銀行のATMカードだけでなく

ビルなどのエントランスの入館カード

ジムやエアラインのメンバーカードも

読むことができる。

というもの。CEOのティアゴは

ぼくはiPhoneのことをデジタルのスイスアーミー

ナイフのような存在だと考えている。

Stratosは財政の世界におけるiPod。

財布の中身をデジタル化して安全に保全する。

けれどそれだけじゃない。

決済,自己認証,アクセスという3つの分野に

ソリューションを提供できるんだ。

 と述べている。

エンジニア視点ではStratosを分解して中を見たいと感じ,

ユーザ視点では入館証・会員カード・銀行カードが

一枚にまとまると楽だなと思った。

 

P50.Future Consumption Design

(デザインオフィスが考えた新しい「消費」のシナリオ)

お金は早晩,いまある貨幣のかたちにとらわれない

存在になる。お金がデジタルの水面下に姿を隠した

とき,その支払いや貯蓄の方法も当然,変わるはずだ。

英国のデザインオフィス・Methodが行った3つの

社会実験から見えてきた「お金とのつきあい方」

実験1.Physilogy(消費が身体データと結びついたら)

Methodは口腔内の唾液から体内のホルモンバランス

をデータとして採取できる歯ブラシを試作した。

IoTが進んでいくと,ありふれた日用品が多様な

生体データを採取し,その動きが個人の

購入履歴と照合される。そんな近未来においては

ドーパミンやアドレナリンなどのホルモンの

増減とその人の消費行動の関係がはっきりとわかる。

実験の結果として彼らは例えばこんな予測をする。

「人の行動を決めるのは心ではなく体。ならば

血液を分析して,人の消費を分析するサーヴィスに活路あり。 

 実験2.Privacy(消費がすべて晒されたら?)

あらゆるものがデータ化され解析されるいま,

人が何を買ったのかという購入履歴も例外でない。

しかし,その購入そのものが人の感情にどう影響したか

についてはまだデータ収集の手は及んでいない。

1ヶ月かけて行われた「社会実験」において,

参加者は自分の買ったものすべてを,とにかく正直に,

写真とともにInstagramにアップし続ける。

その投稿に対して,友達は率直なコメントを寄せる

というもの。結果として見えてきたのは,生活のすべて

が共有されていると思われていたSNSにおいて,

われわれがお金をどう使ったかは案外シェアされて

いなかったということ。そして人に何を買うか

見られているとわかった瞬間に言動を変え,

自分らしい行動がとれなくなるという事実だ。

 実験3.Personality(消費が「スマート化」したら?)

人工知能の研究が進む昨今、Methodが思い至ったのは

「お金そのものに知性が備わったらどうなるか」という

アイデアだった。まずは人間のもつ正確を5つに大別して

それらの性格をデザインや素材に反映させたクレジット

カードを試作した。されに平行して行われた別の実験

では参加者が「知性をもったお金」に扮してそれぞれ

5つの性格を担当し,「持ち主」に対してチャットで

「自分がどう使われたいか」を提案する試みを行った。

「スマート」になったお金は銀行や投資信託よりも

優秀な資産管理人になるのかもしれない。

 エンジニア視点では生体・消費データの集積と

分析システムの構築に興味を持ち,

ユーザ視点では集積されたデータの利用方法に

興味をもった。

 

P54.Money Changes Everything

(ぼくらのお金の未来図。身体認証/人口知能/

  ローカルエコノミー/国家)

 No1.身体認証

保険会社は生体センサーを備えたデヴァイスから

送られる健康データを解析し,求められれば

いつでも今日の生命保険料をフィードバック

します。

(・・・中略)

直近1週間の運動状態,昨夜の食事などの影響を

受けて細かく変動する健康与信に対して,

いまの実体通貨が相性がよいとは想像しにくい。

つまり仮想通貨で支払われます。

 上記は一例だがここでは,

貨幣そのものが個人に付帯するもの(身体・感情)に

なっていくという見通しを述べている。

最も厳重なハンコで言えば,「実印」のような

認証は生体情報そのものになります。

 

No2.人工知能

 人間の行動をハイスピードで代替できる

人工知能はすでに金融市場を牛耳っている

ともいわれる。機械が人類の知を超える

「シンギュラリティ」を迎えたとき、

人工知能は人間の能力を超える

「投資の天才」になりうるのか?

 アルゴリズムトレードについて,言葉(つぶやき)を

もとに株式市場を予測しようという研究もあった。

一方で人工知能にお金の価値をどのように理解させる

かは難しい所。

 

No3.ローカルエコノミー

経済市場はグローバルハイクォリティと

ローカルコミュニティに分断される。

各国毎にローカル対応するより

世界向けにつくったもののほうが勝てる。

一方で

社会とのコミュニケーションにおいて

日本銀行という第3者へ託していた

信頼が「個人」へ戻ったといえるかも

 とあるようにお金の捉え方が変わってきている

潮流がある。

 

No4.国家

ボーダレスで非中央集権的なDIY国家「BITNATION」

BITNATIONでは暗号管理された

ブロックチェーンにすべての情報を記載

することで,個人IDやパスポートの取得,

不動産登記,婚姻届,法人格の付与,

出生や死亡証明,民事契約などの

さまざまな事項が保証され,

これらのサーヴィスを自発的に

受けることができます。

地理的条件に縛られない新たな「統治」の

サーヴィスというものになる。

 言語に置き換えるとエスペラント言語の

ようなものか。

エスペラントとは?

世界に広く薄く普及し,

独自ネットワークが形成されるように

なると面白いと思った。

 

P62.Money Fows,And So Does Everything

(池田純一:「縁」のリヴァースエンジニアリング)

2015年現在、注目を集める「マネーの未来」

というと極端に大きな話と極端に小さな話が

同時並行で進んでいる。

大きな話とはBitCoinに代表される「暗号通貨」

のことであり、小さな話というのは

ApplePayに代表される「ペイメント」

のことだ。

BitCoinは「一国一通貨制度」への

挑戦とみなされる。

一方でApplePayは個人間の

少額決済を精緻化しようと

する性格のことを指す。

上記に加えて

M-Pesaやクラウドファンディングの事例から

「金の切れ目が縁の切れ目」から

「金の関係が出来たら縁の発生」と

いうパラダイムシフトが起きつつあること

を提示している。

 

P68.IoM:Internet of Money

(「お金のインターネット」と暗号通貨の新世界)
ビットコインがもたらす従来と全く異なる
社会システムのありようを13のステップから
解き明かしている。
step01 マーク・アンドリーセンの反論
step02 TCP/IPプロトコルの進化
step03 ブロックチェーンとはなにか?
step04 マイクロペイメント
step05  スマート契約
step06  IoTとスマート財産
step07 通貨とブロックチェーンの統合
step08 ドン・タプスコットの改心
step09 ビットコイン2.0
step10 信頼の新しいアルゴリズム
step11 万能な取引
step12 信頼の巨大ネットワーク
step13 IoMの夢
マウントゴックスの経営破綻が話題になった
ビットコインだがブロックチェーンの仕組みと
それが社会に実装された際のお金の形を
想像するのは面白い試みだと思う。
 

【書籍】研究を深める5つの問い

本書が提起する問題提起は

「なぜその研究を行うのか」と自身に問いているか?

というもの。そこから研究を掘り下げていくべきだと。

会社事業についても同様のことが言えると思った。

「なぜその事業を行うのか」と自身に問い,

その答えを持って取り組んでいるか?

研究を深める5つの問い 「科学」の転換期における研究者思考 (ブルーバックス)
 

 目次

はじめに
問い1 誰をライバルと想定して研究していますか?
問い2 あなたの本当の目的はなんですか?
問い3 論文を書こうと思ってませんか?
問い4 「科学」を盲信していませんか?
問い5 研究者として「自分」を鍛えていますか?
エピローグ 次なる科学の時代は
おわりに

問い1では以下のような事例を用いて

問題提起を行っている。

どちらかというと研究は好きなほう。

昼夜を問わず研究はがんばっている。

ただなぜかぱっとした成果がでない。

論文や学会発表をしても、

良い評判にも悪い評判にもならず、

なんとなく論文にしたという

事実があるだけ。研究そのものは

そこそこインパクトはあると

思っているのだが。

 筆者は上記事例に対して,

研究者としていい仕事を成すためには、

あなたの研究領域以外にも視野を広げ、

大勢が納得するような本質を突いた

テーマを設定する必要がある

と述べている。研究に限らず会社事業においても

専門性の分化が進んでいるため,

同じことが言えるのではないだろうか。

 問い2では

正直、論文の諸言はかなりの綺麗ごとを

書いているとは認める。

私の研究でやっているのは

とあるパラメータを得ること。

それが得られたからといって、

諸言に書いたような

「社会変革に資する基盤技術創出」

につなげるためには、

まだまだ解決すべき事項が山のようにある。

それに厳密な解を求めるため、

いや正しく言うなら「論文にするため」に

極低温での実験に限定するなど

かなり条件を絞っており、

現実社会ではとてもそのような理想的な環境は

ないだろう。もちろん、このような研究が

必要であることは疑いようがないが、

ちょっと自分たちにとって

都合のいいようにものごとを

考えているかもしれない。

 と事例をあげ、それに対して

優れた個別領域の研究は、

必ず普遍的なテーマの体系の内にあるもの。

 と述べ普遍的なテーマ設定に迫る

3つの手法を紹介している。

会社事業も同様に例えば「社会の課題解決を行う」

というテーマを基に個別事業を展開するほうが

長期的には後世にも残る企業となっていく気がする。

問い3では

 論文になって別刷りが手元に届いた瞬間は

とてもうれしいものだ。しかし、その後は

なにか反応があるかというとそうではなく、

自分の業績欄が1行増えるだけ。

そう考えると、論文として掲載するために

形式をあわせることとか、事務局のやりとりとか、

相当な苦労があるにもかかららず、なぜかむなしい。

査読者とのやりとりも最近は的外れな指摘も多く、

なんでこの人の自分勝手な意見に対して

大がかりな追加実験までやったり、

引用文献を増やしたりしなきゃいけないのだろうと

思えてくる。確かに論理的に粗削りだけど、

できればあの実験データも論文に載せて

この研究には大いなる可能性があることを

主張したかった。「論文」にするために

なぜ本当にいいたかった主張を

削らないといけないのだろう。

 という事例に対して,

査読や論文制度等の外的な問題点と,

真理探究のあり方の変化という内的な問題が,

理科系論文に共通して見られる「言葉や文章」の軽視に

出ているとしている。

論文の形式に囚われず,

「自分はこれが知りたい」と堂々と書けるか?

が重要としている。

 

問い4では

科学の発展は間違いなくいいことだよね?

電池とか、輸送とか、作業とか、なにもかも

効率がよくなったほうがいいんじゃないの?

インプットとアウトプットの差分最小化を

追い求めるのが人間の幸福じゃないの?

科学こそが厳密解追求の最先端であり、

論理性の究極形であり、どんな分野においても、

どんな社会においても、もっと科学が

進んでいくことがいいことじゃないの?

という問いかけを行い、それに対して

「客観」=「科学を科学たらしめている」そして

「客観」は「主観と客観は分けられる」

「曖昧や偶然は存在しない」

「複雑な事象は構成要素を分解すれば性質を解明できる」

という根本的な知の考え方に支えられている。

という科学の前提条件を出しつつ

科学は「近似解と限定解」で成り立ち、

「個人の価値観・見解」といった

主観が入る等、科学研究者が考えておきたい

ポイントを述べている。

 

問い5では

結局、研究をがんばれってことでしょ?

でも「研究をがんばる」って、

とにかく実験したり参考となる

論文を読んだりすることだよね。

それ以外に研究は進みようがないのでは?

まあ、世間では他の分野を知りなさいとか、

研究以外のこととか、いろんなことが

研究のヒントになるとかいうけど、

そんなの実感したことない。

他の分野の研究なんてよく知らないし

興味も持てない。とにかく、目の前にやるべき実験、

読むべき論文が積まれているのだ。

今、自分がやっていることが研究だし、

研究というモノを進めるとは、

とにかく目の前の実験をやることなのだ。

という事例を出し,根本的な問い

「自分にとっていい仕事とは何か」を投げかけ、

いい仕事をするためも「思考」「技術」を

磨く手法を述べている。具体的には

「その研究をなぜやるか」について、

自分と他人を相対化してみるといった

手法や他流試合で

「衝突する・恥をかく・学ぶ・また衝突する」

を繰り返すことで自らの表現に活力を

与えることの意味を述べている。

 

エピローグでは報知新聞が

1901年に掲載した「20世紀の預言」と

今の研究者たちが予想する100年後の未来社会

の比較で,

「技術は発展するがそれにより別の問題が発生する」

という傾向が出ている旨が述べられている。

それを踏まえてこれからは

「研究者自身の思想性」が求められてくる

という形で締めくくっている。

【書籍】WIRED vol15 ワイアード・バイ・デザイン(デザインをめぐる25の物語)

未来社会をデザインするアプローチ方法とそれを実現するガジェットが

紹介されている。プログラマー目線で見ると

・子供/大人の視点を用意する潜望鏡(10.point of view × design EyeTeleporter)

・電子情報のみで構築する動物園(13.pet × design Minimaforms)

・薬局でのオペレーションをロボット化(15.pharmacy × design PillPack + IDEO)

・オンラインでカスタム畳サーヴィスを実現する。(23.tradition × design noiz)

・「スペキュラティヴ・デザイン」という概念。(24.speculation × design Superflux)

 あたり未来社会っぽくて実装が面白そうだと感じた。

WIRED(ワイアード)VOL.15 [雑誌]

WIRED(ワイアード)VOL.15 [雑誌]

 

1.nomal × desing Dominic Wilcox

2012年に出版されると瞬く間に完売を記録した「Variations on Normal」。

イギリス出身の若きデザイナー、ドミニク・ウィルコックスによる、

この"ヘタうまイラスト本"が描き出すオルタナティブな視座と拡張する

デザインの未来。

 

2.apple × desing Jonathan Ive

 表舞台に立つことの少ない天才デザイナー,ジョナサン・アイヴ。

彼がわれわれに語ったスティーブ・ジョブズ,デザイン哲学,Apple Watch。

アイヴはどんな人生をたどって今に至り,どんな思考をたどってデザインを

生み出し,どんな未来を描いてものづくりをしているのか。

 

3.the wall × design Cristopher Bauder

2014年11月ベルリンの街が再び「分断」された。しかし壁崩壊から25年を

経たこのときの「分断」は光る風船によってつくられたものだった。

ベルリンの街を15kmにわたって走る光の列が,忘れることの許されない

都市の記憶を鮮やかによみがえらせた。

 

4.media × design New York Times

名門新聞社ニューヨーク・タイムズの本社の28階に知られざる「研究所」がある。

未来のメディアのあり方をデザインすべく日夜実験を繰り返すR&D Labである。

クリエイティブ・ディレクターのアレクシス・ロイドの使命は

新しい情報エコシステムをプロトタイプすることだ。

 

5.time × design Skrekkogle

ノルウェーのデザインユニットが開発した腕時計「Durr」には,針も文字盤もない。

そのかわりきっかり5分ごとに振動する。客観的な時間と主観的な時間感覚のズレ

を意識するためにデザインされたツールだ。それは,人によっては「メメントモリ」

の道具ともなりうるモノだ。

 

6.weather × design Uniform

天気予報をもっと直感的に伝えることはできないか。リヴァプールに本拠を置く

クリエイティブエージェンシーUniformがつくり出したのは,より人間的なやり方で

天気を教えてくれる,「グランサブル・コミュニケーション」を用いた

チャーミングなガジェットだ。

 

7.collector's edition × design Stuart Tolley

デジタル化の波によって撤退戦を強いられてきた音楽,出版業界において

コレクターズエディションをめぐる市場がアツい。デザインに趣向を凝らした

フィジカルプロダクト郡の意義を英国の敏腕グラフィックデザイナー,

スチュアート・トリーが語る。

 

8.tragedy × design Jonas Dahlberg

銃乱射事件が起きた島で,その日の出来事を語り合う機会を絶やさないために。

69人の若者の命を奪った惨劇を悼む追悼施設の設計コンペで最優秀賞を受賞した

ヨナス・ダルバークのアイデアは,島の一部を削り取り,その島に人工的に

「塞がらない傷口」をつくることだ。

 

9.somebody × design Miranda July

メッセージを伝えたい相手の近くにいる人が,あなたの言葉(とハグもキスも)を

彼/彼女に直接伝えてくれるアプリ「Somebody」。つながっていると

思いがちな現代だからこそできる,知らない誰かから,知らない誰かへの

ちょっと風変わりなコミュニケーション。

 

10.point of view × design EyeTeleporter

見たところ,ありがちな段ボールのおもちゃの潜望鏡。確かに愉快なガジェットには

違いないけれど実用性あんのかな? そう思うあなたは正しい。けれども開発した

リトアニアの2人組は,まったく異なった視点からで,これがもたらす「新しい視点」

の効能を解説する。

 

11.extra-ordinary × design Kenryu Nakamura

 画一的な評価基準をもつ日本の義務教育の中で,息苦しさを感じている異才の

子供たちがいる。個性を矯正されてしまいがちな彼らこそ,実は日本の未来に

欠かせない才能なのだとある人間支援工学のエキスパートは考えている。

その男が実践する,個性を伸ばす学びのデザインとは?

 

12.landscape × desing Sonja Hinrichsen

ダムの建設によって姿を消した川。広範囲で10年以上続く水不足。人間の手に

よって引き起こされた環境問題を地域の人々と学びながらアートにするプロジェクト

「We Are The Watar」。かつてその土地にあった美しい川がよみがえった。

 

13.pet × design Minimaforms

動物の身体すべて排除することで,新しくデザインし直された,斬新な

「ふれあい動物園」。実験的建築設計スタジオMinimaformsは,これをたんなる

新奇なレジャーとして開発したわけではない。それは「デザインされた空間を

インターフェースとして機能させる」建築的実験なのだ。

 

14.business × design Robert Fabricant

ビジネス書籍の表紙に踊る「デザインシンキング」という言葉を引き合いに出す

までもなく,ビジネスにおけるデザインの存在意義は絶大だ。いま企業はデザインと

どう向き合い,またデザイナーは社会とどうコミットすればいいのか。

2015年以降のデザインビジネスの可能性。

 

15.pharmacy × design PillPack + IDEO

時代遅れの商品やユーザーエクスペリエンスしか提供できていなかった薬局に,

デザインをもち込む。Amazonなみの流通,最新のロボティクス,そしてデザイン思考

をIDEOのインキュベータープログラムからインストールした「PillPack」が

薬局をアップデートする。

 

16.journey × design Airbnb

Airbnbは,「宿泊」にイノヴェイションを起こしただけにとどまらない。

旅のプロセスと体験までをもデザインするプラットフォームになるべく,

ウェブサイトからロゴにいたるまで,徹底的な刷新を行った。

同社のエクスペリエンスデザイン部門を率いるケイティ・ディルが全貌を語る。

 

17.fashion brand × design Burberry

革新的なデジタル戦略でバーバリーを再建したアンジェラ・アーレンツ(前CEO)

とクリストファー・ベイリー。アーレンツのアップル移籍跡,チーフ・クリエイティブ

・オフィサーからCEOへと異例の抜擢を果たしたベイリーにデザイン主導のビジネス

と,その成功の秘密を訊く。

 

18.concept × design ON,Inc

「次なる一手」を的確に打つべく,デザインファームにアシストを仰ぐ事例が

企業,行政,教育機関を問わず増えている。ここで紹介する「オブジェクト・オブ・ヌル」も,多彩なクライアントを抱える注目の集団だ。彼らはいかなるプロセスで,

コンセプトをデザインしていくのか。

 

19.chineasy × design Chineasy

外国人にはなかなか理解できない漢字の意味と由来。しかし,もしそれが一目で

わかったら? 台湾出身のひとりの女性が,子どもの教育のために開発した学習法

「Chineasy」は,未来の学習法の礎になるかもしれない。

 

20.logo × design MIT Media Lab + Pentagram

2014年MITメディアラボのロゴが一新された。ラボ本体のロゴに加えて,

当時あった23研究グループのものも新たにデザインされ,より統一感のある

ヴィジュアルが出来上がった。依頼を受けたデザイン会社「ペンタグラム」の

マイケル・ビアラットは旧ロゴの"解体"から始めた。

 

21.data × design Mark Rolston

とにかくあらゆる事象のデータを収集するだけのステージは終わった。

見えないデータにかたちを与え,収集されたデータを生かす機能が,これからの

デザインに求められる。米デザイン界の重鎮,マーク・ロルストンが思考する

デザイナーの「これからの5年」。

 

22.workspace × design Studio KNOL

ベッドにブランコ,コーヒーバーにペットのウサギ。理想のワークスペースかと

思われた空間は,しかし時の経過とともに管理志向の抑圧的なオフィスへと姿を

変えていく。そのとき働き手たちの反応は? オフィスデザインの矛盾をつく

ユニークな実験の顛末とは?

 

23.tradition × design noiz

20世紀的なマスプロダクションからの脱却を図る建築デザイン事務所「noiz」と

宮城・石巻市の畳会社「革新舎」は,無数の畳のデザインパターンを

コンピューター・アルゴリズムで生成し,オンラインで世界中から注文できる

カスタム畳製作サーヴィスの実現を目指す。

 

24.speculation × design Superflux

既存のナラティブを疑い,未来のシナリオをデザインして,いまの世界に違った視点

を提示する「スペキュラティヴ・デザイン」。イギリスとインドを中心に活動する

「Superflux」は,その手法を世界で最も効果的に実践しているデザインスタジオの

ひとつだ。

 

25.sensors × design Elliott Hedman

皮膚の導電率を測り,ストレスや肩書などの感情の変化を読み取るセンサーを使って

企業の新製品のユーザーテストを行うデジタルコンサル会社「mPath」。

創設者,リードリサーチャーのエリオット・ヘドマンが開発したその画期的な

デザインリサーチ手法に迫る。