ソフトウェアエンジニア@横浜の徒然日記

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ソフトウェアファースト読了

読了。

ソフトウェア・ファースト あらゆるビジネスを一変させる最強戦略

ソフトウェア・ファースト あらゆるビジネスを一変させる最強戦略

  • 作者:及川 卓也
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2019/10/10
  • メディア: 単行本
 
なぜこの本を読んだのか。

エンジニアとプロダクトマネージャ。
どちらのキャリアを築くか迷っている自分。
 
そんな自分がこっそりロールモデルにしてる及川卓也さんの著書なので本書を手にした。
 
ビジネスの側面から見たときに,
ソフトウェア開発はどのようにあるべきか?
それを踏まえた上でキャリア形成をしたい。
 
目次

1章 ソフトウェア・ファースト
・サービス化する社会
・サービス化を支えるプロダクト開発手法の変化
・ソフトウェア・ファーストとは
 
2章 IT・ネットの20年戦争に負けた日本の課題と光明
・日本経済の没落とIT産業力の関係
・要因1:ITを「効率化の道具」と過小評価
・要因2:間違った「製造業信奉」から抜け出せない
・要因3:サービス設計〜運用面での誤解
・ITサービスで存在感を示すためのアイデア
 
3章 ソフトウェア・ファーストの実践に必要な変革
・DXの本質的な意味
・ポジション別に求められる意識の変化
・プロダクト企画のやり方を変える
・プロダクトの骨太の方針を決める
・リリース後の運用を最初から考える
・組織変革を並行して進める
 
4章 これからの「強い開発組織」を考える
・理想の体制を考える前に
・開発組織を整備するステップ
・エンジニアの採用難をどう乗り越えるか?
 
5章 ソフトウェア・ファーストなキャリアを築くには
・キャリア形成の「型」を知る
・将来のキャリアパスを考える
・生涯「ソフトウェアに携わる人」として成長する
 
この本から受け取ったメッセージ

冒頭のあたりで,ソフトウェアファーストの
意味が以下のように定義されている。
 
「ソフトウェアファーストとは,
IT(とそれを構成するソフトウェア)活用を
核として事業やプロダクト開発を
進めていく考え方です。」
 
その後日本がソフトウエアの開発力競争に
負けてしまった諸要因が記載されているが
根底にある要因はソフトウェアファーストの
考え方ができていなかった。
 
つまりソフトウェアを
「事業の核となるもの」でなく,
「事業に付随するもの」と
位置付けてしまったことにある。
 
ではソフトウェアファーストを実践させる
ためには何をすればよいか?
 
1.ユーザの感情に訴えるプロダクト開発
プロダクトが何を成し遂げたら
ユーザの課題を解決していると言えるのか?を考え抜く。
 
2.ビジネス/テクノロジー/クリエイティブが
三位一体となったプロダクト開発
そのためにITを手の内化する。
 
3.ITを手の内化するための組織変革
変革を主導する人材を
社内外から登用/採用し,
・デジタイゼーション(デジタル化)
・デジタライゼーション(デジタルデータを用いたプロセス)
・DX(ユーザーに新たな価値を提供する事業を生み出す)
の順番で組織変革を進める。
 
といったことを行う必要がある。
 
ではこれらを実践するために
開発組織はどうあるべきなのか?
 
1.プロダクト志向であること
開発組織も事業サイドと同様に
ユーザーに提供する価値を
最大化するためには何が必要か?
を考える組織に変わっていく必要がある。
 
2.開発の制御権を持っていること
重要なのは100%内製化を
目指すことではない。
・何を作るか
・どう作るか
この2つの制御権を保持し,
開発の全体を指揮することが重要。
 
また実装は機能,性能等のプロダクト品質に
直結するので,ここを外に出すことは
あり得ない。
 
3.適切な評価基準が設けられていること
メンバーシップ型雇用から
ジョブ型雇用へと変更を行い,
組織のミッションを主発点にして
各職種のジョブディスクリプションと
評価基準をつくる。
 
エンジニアの評価は
職能にあたるソフトウェア技術についての
フィードバックを与えられることから,
職能組織の上司をメインとするのが良い。
 
といった組織であること。
その組織の中ではどのようなキャリアパスが
想定されるか?
 
軸足をどの領域に置くかで,
目指す職種やリーダーシップを発揮すべき
対象が変わる。
  1. 技術の領域
  2. 人・組織の領域
  3. プロダクト・ビジネスの領域
どこに軸足を置くかを考えよう。
その際に重視するのは
内発的動機づけとなる。
 
この本を読んで考えたこと

まず自分自身が持つ2つの価値観を
変えることが必要だと感じた。
 
価値観1:ソフトウェアは事業の付随機能
「事業のためにソフトウェアがある」
自分の中にこの定義は揺るぎないもの
として存在する。
文言そのものは間違っていないのだが,
ソフトウェアの配置場所・捉え方を
間違えていた。
 
今までは,
中心に事業があって,周辺に機能として
営業・ソフトウェア・バックオフィス等が
並んで存在するような感じで捉えていた。
 
そうではなく,
中心にソフトウェアがあって,周辺に事業を
置く。そしてソフトウェアが事業に推進力を
与えるような感じに捉え直す必要がある。
 
どうやってこの価値観を変えていくか?
・・・まずは感度の高いソフトウェアの
ユーザになる。そしてソフトウェアの
応用的な使い方を考えるところから
始めよう。
 
価値観2:実装を軽視する
プログラマよりPMやコンサルの方が
収入高いんだからこのような価値観持っても
当然だろ‼️
・・・というグチはさておき,
実装の良し悪しがプロダクトの
競争力に即影響を及ぼすという
認識を持つ必要がある。
 
この価値観を変えるには,とにかく
実装する機会を増やしていくしかないか。
 
さて本題。
肝心の自分の軸足をどこに置くか問題。
 
自分は5年後どうなっていたいか?
「顧客に支持されるプロダクトを生みだす
会社組織をつくるお手伝いをする人」
(皿洗いでなく,皿洗いコンサルタント)
こんな感じをイメージしている。
 
そのためには
  • プロダクトの生みだし方
  • 会社組織のつくり方
に精通する必要がある。
 
そのために置くべき軸足は
  • プロダクト・ビジネスの領域
  • 人・組織の領域
この2つの領域となる。
どちらが中心となるかは状況にもよるので,
まずは「プロダクト・ビジネスの領域」に
軸足を置くことにしよう。
(但し実行は技術領域のベースを上げた後)