メディアとの接し方を考える 〜マネー喰い〜
「マネー喰い」という小説を読んだ。
管理職は物語の主人公として描くことが難しいのだろうか?
プレイヤーを物語の主人公に置いて職業人の矜持を描く話は多くある。
本作でも
良質な特ダネ記事を書くことにこだわる新聞記者の矜持。
カネを稼ぐためには手段を厭わないという外資系証券マンの矜持。
といったようにプレイヤーの矜持・行動原理は明確に描かれていた。
一方で新聞社の管理職。銀行の管理職。
彼らには権力と保身に焦点が当てられていて,
矜持・行動原理がどうもふわふわしている。
これは管理職が物語として書きづらいのか?
それとも職務特性上、そもそも矜持を持つこと自体が難しいのか?
管理職の矜持を表現することができたら面白いなと思った。
本作では
政官財の癒着による大手都市銀行の巨額損失隠蔽を
阻止するための一連の情報リークが物語の中心となっている。
読み終えて思ったことは
「メディアの情報は発生元の権力によりコントロールされている」
ということだ。良い意味でも悪い意味でも。
故に流通している情報の裏にある構図を推測し,
流通していない情報を推測する力を持つことが重要だ。
マネー喰い 金融記者極秘ファイル (文春文庫 お 66-1)
- 作者: 小野一起
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/10/10
- メディア: 文庫
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