思考を整理する 〜思考の整理学〜
情報過多の現代。
思考の対象があちこちに飛び、
考えがまとまらないことが増えてきている。
今何を考えているのかすら忘れることもある。
これでは豊富にある情報を活かすことができない。
思考の整理法を身につけることで、
思考を深め情報を活かすことが、
できるようになるのではないか?
そのような期待を持って本書を読んだ。
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■目次
Ⅰ
グライダー
不幸な逆説
朝飯前
Ⅱ
発酵
寝させる
カクテル
エディターシップ
触媒
アナロジー
セレディビティ
Ⅲ
情報のメタ化
スクラップ
カード・ノート
つんどく法
手帖とノート
メタ・ノート
Ⅳ
整理
忘却の様々
時の試練
捨てる
とにかく書いてみる
テーマと題名
ホメテヤラネバ
Ⅴ
しゃべる
談笑の間
垣根を超えて
三上・三中
知恵
ことわざの世界
Ⅵ
第一次的現実
既知・未知
拡散と収斂
コンピューター
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思考のプロセスを
1.情報を集める。
2.集めた情報を元に思考する。
3.思考した結果を考察として書く。
という3段階に分けるとする。
1.情報を集める
この段階でのポイントは,
・情報収集の目的,対象,範囲を明確にしてから情報を集める。
・手帖に記録して忘れる。
この2点。
前者は当たり前だが忘れがちなこと。
後者は情報を頭に残さず忘れるようにするという所が肝。
手帖に記録してある程度寝かして置くことで,
重要か否かの判定も行うことができる。
2.集めた情報を元に思考する
この段階では,
・素材+酵素+寝かせる →優れた考察が生まれる。
・A説+B説+C説+独自のX説→新しい考察が生まれる。
この2点が主なポイント。
両者に共通しているのは「組み合わせ」が
重要であるという点。
純粋に新しい独創性を求めるよりも,
組み合わせによって,新しくかつ優れた考察を生む方が
思考的にも楽しいらしい。
そして「寝かせる」。これは1の情報を集める時とも
関連しているが情報・アイデアは思いついてから,
ある程度寝かせることが重要。
時のふるいにより,重要でない物が落とされていき,
より思考の純度が濃くなっていく。
3.思考した結果を考察として書く
ここでは
・思考→書く→人に話す→声に出す→整理された思考となる。
ここに尽きる。要するに
「とにかくアウトプットして,整理してくべし」
ということだ。
思考の整理の究極は表題に現れる。
表題がイマイチな時はまだ思考が整理しきれていない
ということになるとのことだ。
最後に
思考整理のプロセスは記録の仕方が重要。
アイデア→手帖→寝かす→ノートA→思考
→捨てる ↓
メタノート
↑
アイデア→手帖→寝かす→ノートB→思考
→捨てる
まとめるとこのようなプロセスになる。
そして情報・記憶・知識という固定的な物は,
コンピュータという倉庫にどんどん置いていき,
人間の頭は知的工場に重点を置くこと。
人間とコンピュータの関係についても,
改めて考えされられた。