これがフリーランスの実態? ~IT企業という怪物組織が人を食い潰すとき~
IT業界にいると正社員 or フリーランスどっちがいいか?
という話はよく話題になる話だ。
本書の主張するところによると
・分業化が進む以前の職人はすべての工程を細部まで知り尽くしていた。
→フリーランスの独立性が保つことが可能だった。
・現在のITのフリーランスは分断化された仕事を安く請け負う「代えのきく一業者 」
→独立しても組織人。むしろ会社員以上に過酷な環境に追いやられる。
→故に憧れだけでフリーランス・ノマドになるのは自殺行為
というものである。
いままでの現場を見てきた限りでは同意する部分は多い。
一方でITエンジニアの職掌が
PGからSE,SEからPMと出世魚的なキャリアパスが
当然あると思われることだろう ― ― 。
といったようPM>SE>PGという一種のヒエラルキーがあることが
前提として記載されている所には違和感を覚えた。
出版業において,編集者・作家に求められるスキルが違うように
プロジェクトマネージャーとソフトウェアエンジニアに求められる
スキルは別物で人によって向き不向きもある。
そして編集者>作家という序列が成立しないように
プロジェクトマネージャー>ソフトウェアエンジニアという序列も成立しない。
飛躍するが経営者も経営が得意な一プレイヤーと考えることもできる。
経営者になる能力や素質のない人に 「全員が経営者マインドだ 」って
強制するのは暴力ですよ。
という本書の主張は一理あるのかもしれない。
つまるところ、ふわふわした意識の高い価値観に踊らされることなく
「自分にできること」を明確化にして、そこに注力することが大事
ということか。
まとまりがない内容になってしまったが、
読んでいてなんだか胸糞が悪くなってきた。
PGからSE,SEからPMと出世魚的なキャリアパスが
当然あると思われることだろう ― ― 。
このようなクソみたいな価値観が変わっていくことを
切実に願うばかりだ。